昨今、洋風住宅が増加したことにより、伝統的な和風住宅が減少してきております。
当社は、長年粘土瓦の製造・販売によって日本の住文化に携わって参りましたが、より多くの方々に和風住宅の良さを知っていただきたく、重要伝統的建造物群保存地区(※1)に指定されている、歴史的な集落や町並みをご紹介します。今回は、山口県柳井市をご紹介致します。
山口県柳井市(重要伝統的建造物群保存地区)
柳井川の北側、古市・金屋地区に残る町割りは、室町時代から始まり、江戸時代中期にほぼ完成したもので、約200mにわたり、街路に面して白壁と格子窓の家並みが続いています。
藩政時代には岩国藩の「お納戸」として繁盛し、産物を積んだ大八車が往来してにぎわった町筋で、間口が狭く、奥行きの長い建物は「うなぎの寝床」と呼ばれる江戸時代の商家の造りです。
本瓦葺入母屋造の屋根の妻入りで、漆喰塗籠の重厚な白壁をもつ町屋が建ち並び保存状況も良好なことから、1984年(昭和59年)12月、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
夏の柳井金魚ちょうちん祭りの前後には、かわいらしい金魚のちょうちんが軒につるされ、幻想的な雰囲気をかもしだします。
入母屋造 妻入り※1
切妻造 妻入り
切妻造 平入り※2
※1妻入り:屋根の面からみて、横の壁に入り口を持つもの→大社系(出雲大社等)
※2平入り:屋根の面に対して、水平の壁に入り口を持つもの→神明系(伊勢神宮等)
本瓦葺※3
桟瓦葺※4
※3本瓦葺き:本瓦の平瓦と丸瓦を交互に組み合わせて並べる屋根の葺き方で、古くから社寺建築に用いられている葺き方です。
※4桟瓦葺き:平瓦と丸瓦を一体化させた波型の桟瓦を使用した屋根の葺き方です。
重要伝統的建造物群保存地区とは(※1)
1975年(昭和50年)の文化財保護法の改正によって伝統的建造物群保存地区の制度が発足し、城下町、宿場町、門前町全国各地に残る歴史的な集落・町並みの保存が図られるようになりました。
市町村は、伝統的建造物群保存地区を決定し、地区内の保存事業を計画的に進めるため、保存条例に基づき保存計画を定めます。国は市町村からの申出を受けて、我が国にとって価値が高いと判断したものを重要伝統的建造物群保存地区に選定します。
市町村の保存・活用の取組みに対し、文化庁や都道府県教育委員会は指導・助言を行い、また、市町村が行う修理・修景事業、防災設備の設置事業、案内板の設置事業等に対して補助し、税制優遇措置を設ける等の支援を行っています。
2014年(平成26年)12月10日現在、重要伝統的建造物群保存地区は、89市町村で109地区(合計面積約3,770ha)あり、約26,400件の伝統的建造物及び環境物件が特定され保護されています。
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本件に関するお問い合わせ先
経営企画室 岩田
Tel: 0569-29-3436
Fax: 0569-28-5891
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