1. 住宅着工、10月は13.7%増 貸家けん引22%増
国土交通省が11月30日発表した10月の新設住宅着工は前年同月比13.7%増の8万7,707戸だった。貸家は22%増の3万9,950戸と2008年10月以来、8年ぶりの多さ。相続税の節税や資産運用目的のアパート建設が好調だった。
貸家の増加は12カ月連続。特に三大都市圏を除く地域の伸び率が37.3%と高く、貸家建設のブームが地方に波及したかたちだ。貸家の4~10月の累計は前年同期比12.7%増と、持ち家(3.3%増)や分譲住宅(2.7%増)の伸びを大きく上回った。
相続税の評価額を下げるためのアパート建設のほか、古くなった物件の建て替え需要も出ているという。低い金利で建設資金を借りやすい環境も建設を後押しした。
地域別に貸家をみると首都圏と中部圏がそれぞれ14.7%、14.8%増えた。地方では東北が68.6%増えたのをはじめ北陸が39.8%増、中国も41.5%増など軒並み高い伸びを記録した。貸出先に悩む地方銀行などがアパートローンに力を入れているためだ。
全体の住宅着工は4カ月連続のプラスだった。新設着工の年率換算値(季節調整済み)は前月比0.1%減の98万3千戸だった。リーマン・ショック前に記録した年100万戸に近い水準を維持している。